離婚後の不動産売却の流れは?注意点や手続きもわかりやすく解説

2025-07-31

離婚

離婚をきっかけに不動産の売却を検討する方は少なくありません。しかし、実際にどのような流れで手続きを進めれば良いのか、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。この記事では、離婚時の不動産売却に関する基本的な流れや、よくある疑問点について分かりやすく解説します。不動産と住宅ローンの名義確認、財産分与の手順、売却時の税金や費用まで、順を追ってご案内いたしますので、ぜひご参考になさってください。

離婚時の不動産売却の基本的な流れ

離婚に伴い不動産を売却する際、適切な手順を踏むことでスムーズな取引が可能となります。以下に、主なステップをご紹介します。

まず、売却する不動産の名義を確認することが重要です。名義人でないと売却手続きを進めることができません。名義は法務局で取得できる「全部事項証明書」で確認できます。共有名義の場合、全員の同意が必要となります。

次に、住宅ローンの名義人を確認しましょう。ローンの名義人は、ローン借り入れ時の契約書などで確認できます。夫婦でペアローンを組んでいたり、連帯債務や連帯保証でローンを組んでいたりする場合は、離婚後も返済義務が継続されるため、注意が必要です。

不動産の価値とローン残債を確認することも大切です。不動産会社に査定を依頼し、現在の市場価値を把握しましょう。査定額とローン残債を比較し、売却益でローンを完済できるかを判断します。

財産分与の方法を決定し、公正証書を作成する手順も重要です。財産分与の内容が決まったら、公正証書を作成することで、後々のトラブルを防ぐことができます。公正証書は、公証人が作成する公文書で、裁判所での強制執行が可能な効力を持ちます。

最後に、不動産会社への査定依頼から売却活動開始までのステップを詳述します。不動産会社に査定を依頼し、売却価格を決定した後、信頼できる不動産会社と媒介契約を結び、売却活動を開始します。売却活動中は、内覧対応や価格設定のコツを押さえ、スムーズな取引を目指しましょう。

以下に、離婚時の不動産売却の主なステップを表にまとめました。

ステップ 内容 注意点
1. 名義確認 不動産とローンの名義を確認 共有名義の場合、全員の同意が必要
2. 価値と残債の確認 不動産の査定とローン残債の確認 売却益でローン完済が可能か判断
3. 財産分与の決定 分配方法を決定し、公正証書を作成 公正証書でトラブルを防止
4. 売却活動 不動産会社と契約し、売却活動を開始 内覧対応や価格設定に注意

これらの手順を踏むことで、離婚時の不動産売却を円滑に進めることができます。各ステップで専門家のアドバイスを受けることも検討しましょう。

住宅ローンが残っている場合の対応方法

離婚時に住宅ローンが残っている場合、適切な対応が求められます。以下に、具体的な対応方法を説明します。

まず、住宅ローンの残債額を確認し、売却益で完済できるかを判断します。これには、以下の手順が必要です。

  • 金融機関から最新のローン残高証明書を取得する。
  • 不動産会社に査定を依頼し、現在の市場価値を把握する。
  • 査定額とローン残高を比較し、売却益で完済可能かを判断する。

売却益でローンを完済できる場合、売却後に残った資金を夫婦で分配することが可能です。

しかし、売却益でローンを完済できない「オーバーローン」の場合、任意売却を検討する必要があります。任意売却とは、金融機関の同意を得て市場価格で不動産を売却し、ローン残債を減らす方法です。ただし、売却後も残債が残る可能性があり、金融機関との交渉や手続きが複雑になるため、専門家の助言を受けることが重要です。

また、連帯保証人や連帯債務者がいる場合、離婚後も返済義務が継続します。特に連帯保証人は、主債務者が返済不能になった際に全額返済義務を負うため、離婚時に保証人から外れる手続きを検討することが望ましいです。これには、金融機関との協議が必要となります。

以下に、住宅ローンが残っている場合の対応方法をまとめた表を示します。

状況 対応方法 注意点
売却益でローン完済可能 不動産を売却し、ローンを完済 売却後の残資金の分配方法を協議
オーバーローン 任意売却を検討 金融機関との交渉が必要
連帯保証人・連帯債務者がいる 保証人から外れる手続きを検討 金融機関との協議が必要

離婚時の住宅ローン問題は複雑であり、専門家の助言を受けながら慎重に進めることが重要です。

不動産売却時の税金と費用に関する注意点

離婚に伴い不動産を売却する際、税金や諸費用について正確に理解しておくことが重要です。以下に、主な税金の種類と計算方法、売却に伴う諸費用、そして税金や費用を抑えるための控除制度や特例措置について解説します。

譲渡所得税や住民税など、売却時に発生する税金の種類と計算方法

不動産を売却して利益(譲渡所得)が生じた場合、所得税と住民税が課税されます。譲渡所得は以下の式で計算されます。

譲渡所得 = 売却価格 -(取得費 + 譲渡費用)

取得費は購入時の価格や購入にかかった費用、譲渡費用は売却時に発生する仲介手数料などを指します。譲渡所得に対する税率は、所有期間によって異なります。

所有期間 所得税 住民税 復興特別所得税
5年以下(短期譲渡所得) 30% 9% 2.1%
5年超(長期譲渡所得) 15% 5% 2.1%

所有期間は、売却した年の1月1日時点で判断されます。例えば、2025年7月に売却する場合、2025年1月1日時点での所有期間が基準となります。

売却に伴う諸費用(仲介手数料、登記費用など)の概要と注意点

不動産売却時には、以下のような諸費用が発生します。

  • 仲介手数料:不動産会社に支払う手数料で、法律で上限が定められています。売却価格が400万円を超える場合、上限は「売却価格 × 3% + 6万円 + 消費税」です。
  • 登記費用:所有権移転登記に必要な費用で、司法書士への報酬や登録免許税が含まれます。
  • 印紙税:売買契約書に貼付する収入印紙の費用で、契約金額に応じて税額が決まります。
  • 測量費用:土地の境界確定や面積測定が必要な場合に発生します。

これらの費用は売却価格や物件の状況によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

税金や費用を抑えるための控除制度や特例措置について紹介

不動産売却時の税負担を軽減するため、以下の控除制度や特例措置があります。

  • 3,000万円特別控除:居住用財産を売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円まで控除できる制度です。適用条件として、売却した年の1月1日時点で所有期間が10年を超えていることなどがあります。
  • 所有期間10年超の軽減税率の特例:所有期間が10年を超える居住用財産を売却した場合、譲渡所得のうち6,000万円以下の部分に対して所得税10%、住民税4%の軽減税率が適用されます。
  • 譲渡損失の繰越控除:売却によって損失が生じた場合、他の所得と損益通算し、さらに翌年以降3年間にわたって繰り越して控除することが可能です。

これらの特例を適用するためには、確定申告が必要となります。必要書類の準備や申告手続きは複雑な場合があるため、専門家に相談することをおすすめします。

離婚に伴う不動産売却は、税金や費用の面で多くの注意点があります。事前にしっかりと情報を収集し、適切な手続きを行うことで、スムーズな売却と税負担の軽減が可能となります。

スムーズな不動産売却のためのポイント

離婚に伴う不動産売却を円滑に進めるためには、以下のポイントを押さえることが重要です。

信頼できる不動産会社の選び方と査定依頼時のポイント

不動産売却を成功させるためには、信頼できる不動産会社の選定が不可欠です。以下の点に注意して選びましょう。

  • 実績と評判の確認:過去の取引実績や顧客からの評価を調べ、信頼性を確認します。
  • 専門知識の有無:離婚に伴う不動産売却の経験が豊富な会社を選ぶと、特有の問題にも適切に対応できます。
  • 査定の透明性:査定額の根拠を明確に説明してくれる会社を選びましょう。

査定依頼時には、以下の書類を準備しておくとスムーズです。

必要書類 内容
登記簿謄本 不動産の権利関係を確認するための書類です。
固定資産税納税通知書 税額や評価額を確認するために必要です。
間取り図 物件の詳細を伝えるために役立ちます。

売却活動中の内見対応や価格設定のコツ

売却活動を効果的に進めるためには、内見対応と価格設定が重要です。

  • 内見対応:物件を清潔に保ち、明るい印象を与えるよう心掛けましょう。訪問者の質問には誠実に答え、良好な印象を与えることが大切です。
  • 価格設定:市場価格を参考に適正な価格を設定します。高すぎると売却が難しく、低すぎると損失につながるため、バランスが重要です。

売却後の手続き(引き渡し、確定申告など)と注意点

売却後も以下の手続きを適切に行う必要があります。

  • 引き渡し:契約内容に基づき、物件の引き渡しを行います。鍵の受け渡しや設備の確認を怠らないよう注意しましょう。
  • 確定申告:不動産売却による所得が発生した場合、翌年の確定申告が必要です。必要書類を揃え、期限内に申告を行いましょう。

これらのポイントを押さえることで、離婚に伴う不動産売却をスムーズに進めることができます。専門家の助言を受けながら、計画的に進めていきましょう。

まとめ

離婚に伴う不動産の売却は、名義や住宅ローンの確認から始まり、財産分与や公正証書作成、査定依頼といった一連の流れを理解することがスムーズな進行のカギとなります。特に住宅ローンが残っている場合や複雑な名義関係がある際には、適切な対応と手続きを知っておくことが重要です。また、譲渡所得税などの税金や各種費用も無視できない要素です。信頼できる不動産会社に相談し、的確なサポートを受けながらしっかりと準備を進めていきましょう。当記事を通じて、離婚後の不動産売却の流れや注意点について具体的なイメージを持てた方は、次の一歩に踏み出す参考にしていただければ幸いです。

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後藤正浩

部署:株式会社go-to不動産 本店

資格:宅地建物取引士 

魚介が美味しく、支援も充実しており住みやすさが魅力な明石が好きです。
魚介が食べたくなったら魚の棚に行き新鮮な魚やタコ、貝を選ぶのが楽しいです!

後藤正浩が書いた記事

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