不動産売却で査定書はどう使う?見るべきポイントや活用法も解説

不動産を売却しようと考え始めたとき、「査定書」という言葉を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。不動産の売却は大きな決断であり、どんな情報をもとに進めていくべきか不安を感じる方も少なくありません。本記事では、査定書がどのような書類で、売却を円滑に進めるためにどれほど役立つものなのかを詳しく解説いたします。売却準備の第一歩としてぜひご参考になさってください。


査定書とは何か、基本的な構成と意味

不動産売却を検討している方にとって「査定書」は、まず知っておきたい基本資料です。査定書とは、物件の概要や取引の根拠を整理し、いくらで売れそうか、そしてその根拠は何かを示した書類です。

一般的に査定書には、以下のような内容が記載されています。まず「不動産の概要」として、所在地・面積・築年数・構造・間取り・交通アクセス・都市計画・用途地域など、物件を特定し評価する上で欠かせない情報が含まれます。

次に「査定価格」およびその根拠が示されており、取引事例や築年数、設備の状況、リフォーム履歴などを基に算出されます。場合によっては、「売り出し価格」「下限価格」「上限価格」などが提案されることもあり、売却条件の調整に役立ちます。

さらに「取引事例(成約事例)」として、近隣・類似物件の実際の取引価格や条件が記載されており、相場感を把握するのに有効です。また、担当者のコメントや販売戦略、売却スケジュールなども査定書に含まれる場合があり、売却計画の整理に役立ちます。

これらの内容は不動産会社によって書式や構成が異なるものの、公益財団法人不動産流通推進センターの雛形が多くの査定書のベースとなっていることもあり、一定の共通性はあります。

以下に、査定書の基本構成をまとめた表をご紹介します。

項目主な内容役割
不動産の概要所在地・築年・面積・間取りなど物件を正確に把握する
査定価格と根拠価格の算出方法・事例・設備状況など売却予想価格の裏付け
取引事例・コメント類似物件の成約事例、担当者の意見、売却スケジュールなど相場感の明確化と戦略の方向付け

査定書は、売却を進めるにあたっての土台となる資料です。売りたい物件の価値や市場の反応を理解し、売却戦略を立てる上で欠かせない存在と言えるでしょう。

査定書で確認すべきポイント

不動産の売却を検討されるあなたにとって、査定書は単なる数字の羅列ではありません。信頼できる判断を導く重要な資料として、以下のポイントをしっかり押さえて確認しましょう。

チェック項目 確認する内容 理由
査定価格の妥当性 他社との比較や根拠の提示 極端に高すぎる査定はおとりの場合もあるため
コメントの丁寧さ・見やすさ 担当者の個別コメント量・ページ数・書式 内容の手抜きやテンプレ流用の有無を判断できるため
成約事例の類似性・流通性比率 対象物件に近い事例か/なぜその調整率か明記されているか 査定の信頼性を高める情報だから

まず、査定価格が他社よりも著しく高い場合は要注意です。これは契約を取るために提示している「おとり査定」の可能性があるため、必ず複数社から査定を取り、相場と平均を比較してください。専門家は、価格帯の幅(例:○○万円〜○○万円)を示し、根拠を明記しているかを重視します。

つぎに、担当者からのコメントや資料の見やすさにも注目しましょう。コメントが簡潔すぎたり、他物件の使い回しのようであれば信頼性に欠けます。ページ数が数ページだけでは十分な説明が載っていない可能性が高く、少なくとも10ページ程度の丁寧な査定書を提出する会社のほうが安心できます。

さらに、査定書に載っている成約事例が、あなたの物件に類似しているかを吟味してください。築年数や間取り、立地条件などが異なる事例ばかりでは、参考になりません。また、流通性比率という「売りやすさ」の指標が提示され、その理由が明記されているかどうかも重要です。数値だけでなく、その説明があることで査定の信頼性が増します。

このように、査定価格の妥当性、コメントの丁寧さ・見やすさ、成約事例の類似性と流通性比率の説明という3つの観点をリズミカルに確認することで、不動産売却を安心して進める第一歩となります。

:査定書活用術〜売却準備から検討までの流れで使う方法〜

不動産売却をしようと考えている方に向けて、査定書をしっかり使いこなす方法を、売却準備段階から実際の検討までの流れに沿って、リズミカルにご案内します。

まず、査定書は「売り出し価格」の基礎となる重要な資料です。査定書に記載された内容を基に、売り出し価格を決める際には、相場の中で違和感のない価格帯を見極めましょう。例えば、査定価格が提示されたら、その上限だけでなく下限も確認し、ローン残高をカバーできるかを検討することが大切です。不動産売却の成功には、「高すぎず安すぎない価格設定」、その調整力が鍵となります。査定書の価格帯を有効に活用しましょう。

次に、査定書に記載された諸経費にも注目です。諸費用の項目や金額を理解することで、実際に手取りとなる金額をイメージしやすくなります。媒介手数料や登記費用、税金などの経費を差し引いて、実際に手元に残る金額を把握すれば、無理のない資金計画を立てることができます。

さらに、複数社の査定書を比較活用するのも得策です。査定書から売り出し価格の目安を導き出しつつ、自分の売却スケジュールや戦略に合った価格帯を選んでいきましょう。たとえば、「○か月以内に売却したい」というスケジュールがあるなら、それに見合った売り出し価格を検討しやすくなります。また、価格のばらつきを見て、市場の反応や価格交渉の幅を予測できます。

活用ステップ内容
① 売り出し価格の判断査定書の上限・下限を参考に相場内での価格帯を決める
② 諸経費と手取りの把握査定書記載の経費を差し引いて、実際の手残り金額を計算する
③ 複数査定で戦略設定比較した査定書を元に、売却時期や交渉余地を踏まえて価格を決定する

こうした使い方なら、査定書をただ保管するだけでなく、あなた自身の売却戦略の要として活用できます。売り出し価格の決定、諸費用の理解、戦略的比較、この三つの視点を意識することで、査定書は強い味方となります。ですので、査定書をただ受け取るだけでなく、積極的に活かして、ご自身の不動産売却を前に進めていただければと思います。

査定書を受け取った後にすべきこと

査定書を手にしたら、まず担当者が書いたコメントや価格根拠をじっくり読み返しましょう。わからない点や気になる点があれば、曖昧なままにせず、すぐ担当者へ質問するのが大切です。たとえば、「なぜこの価格で査定されたのか」「諸経費の内訳はどうなっているのか」といった具体的な疑問を整理しておくことで、より納得のいく売却準備が進みます。

加えて、自分でも市場の相場や、近隣での似た物件の販売価格などを調べて、査定価格と比較してみましょう。公示価格や最近の成約事例を目安として見ることで、査定が現実的かどうか、自身で確認できます。これにより、査定内容に対する理解が深まり、売却の判断材料として役立ちます。

最後に、査定書を媒介契約を結ぶ前の判断材料として活用してください。複数の査定書と照らし合わせることで、不動産会社の提案や戦略の違いが見えてきます。査定結果だけでなく、対応の誠実さや説明のわかりやすさも重要です。こうした点を総合的に評価して、自分に最適なパートナーを選びましょう。

チェック項目 具体的な内容 効果
担当者コメントの確認 価格根拠やコメントの説明を質問・確認 納得して信頼できる判断につながる
自分で調べる 公示価格や近隣成約事例と比較 査定価格の適性を自分で把握できる
媒介契約前の比較活用 複数査定書と対応内容を比較評価 最適な会社選びと戦略立案に活かせる

まとめ

不動産の売却を検討されている方にとって、査定書は売却の第一歩として極めて大切な資料です。物件の特徴や周辺事例、査定価格や売却までの流れなど多岐にわたる情報が整理されているため、納得して売却するための判断材料となります。また、内容を丁寧に確認し、疑問点や不明な点は積極的に担当者へ質問することで、安心して取引を進めやすくなります。しっかりと査定書を活用し、ご自身にとって最善の売却ができるよう心がけてください。

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後藤正浩

部署:株式会社go-to不動産 本店

資格:宅地建物取引士 

魚介が美味しく、支援も充実しており住みやすさが魅力な明石が好きです。
魚介が食べたくなったら魚の棚に行き新鮮な魚やタコ、貝を選ぶのが楽しいです!

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