再建築不可の土地はどう売却できる?方法や注意点を解説

再建築不可の土地をお持ちの方は、「本当に売却できるのか」「どのような方法があるのか」といった不安を感じていませんか。再建築不可という制約は、土地の価値や売却の難易度に大きく影響します。しかし、正しい知識と準備を整えれば、スムーズにご希望の売却へと進むことは十分可能です。本記事では、再建築不可土地の基本的なチェックポイントや具体的な売却方法、さらには売れやすくするための対策まで、分かりやすくご紹介いたします。


再建築不可の土地を売却する前に確認すべきポイント

まず、売却前に着目すべきは「接道義務の有無」と「境界線の現況」の調査です。再建築不可とされる土地の多くは、建築基準法が定める道路に接しておらず、登記上の記録と実際の境界線との食い違いが売却時にトラブルを招く可能性があります。専門家による実測によって正確に把握し、事前に買い手へ示せるようにしておくことが安心です。

次に留意すべきは、土地を更地化することで生じる税金負担の変化です。住宅用地に対する固定資産税の軽減措置(小規模住宅用地なら固定資産税が6分の1に軽減など)が外れるため、更地にすると固定資産税が最大6倍に跳ね上がる可能性があります。したがって、現状建物を残したまま売却する選択肢も検討すべきです。

そして、住宅ローンの利用可否についても重要です。不動産購入にあたって一般の金融機関では再建築不可の土地に融資を出しづらく、買い手の資金調達方法が制限されてしまいます。ノンバンクなど融資の選択肢もありますが、金利が高く、借入額が制限されるケースも多く見られるため、買い手が限定される可能性が高いことを踏まえましょう。

以下、見やすい表で主要ポイントを整理しました。

項目確認内容注意点
接道・境界実測と登記の一致ズレがあると売却に支障
固定資産税現状の軽減制度更地化で6倍増の可能性
住宅ローン融資金融機関の対応融資不可や高金利のリスク

売却方法の選択肢とそれぞれの特徴

再建築不可の土地を売却する際には、仲介による売却か買取の直接売却かといった選択肢が中心となります。それぞれのメリット・デメリットを比べて、ご自身の状況に合った方法を選ぶことが大切です。さらに、複数の査定依頼や隣地所有者への売却検討も加えると、売却の幅が広がり、より納得のいく方法が見つかります。

売却方法特徴ポイント
仲介による売却不動産会社が買主を探す方法で、売主が価格を設定できる。経験豊富な会社を複数査定し、適切な戦略を取れる仲介者を選ぶ。
買取(直接売却)不動産会社や専門業者が物件を直接購入。手間が少なく、現金化が早い。査定額は市場価格より低め(5割〜7割以下が一般的な相場)になる傾向。
隣地所有者への売却隣地所有者が購入することで、接道条件を満たし再建築可能になるケースも。事前に隣人に相談し、協力を得られれば価値を高めての売却も可能。

仲介では売却価格を自ら設定できる点が魅力です。特に再建築不可という専門性の高い案件では、取扱い経験のある仲介業者を選ぶことで販売戦略の精度も上がります。複数社に査定依頼し、価格だけでなく担当者の対応力や提案内容を比較することが重要です。

一方、買取はスピード重視の方に向いており、査定から現金化まで1週間前後と早いのがメリットです。ただし、相場より価格が低くなる傾向にあるため、それを踏まえた判断が必要です。

また、隣地所有者への売却は、再建築可能な状態を整えたうえでの「価値ある売却」として期待できます。隣地を購入したり賃借したりすることで、接道義務を満たし、一般的な相場に近い条件で売れる可能性もあります。隣人との信頼関係構築が鍵になります。

これらの選択肢をバランスよく検討し、複数の査定を通じて比較することで、ご自身にもっとも合った売却方法が見えてくるはずです。

:再建築可能にするための具体的な方法

再建築不可の土地をあえて可能にする方法は、主に三つあります。それぞれの利点・注意点を押さえれば、売却効果を高める大きなチャンスにもなります。

方法 ポイント 注意点
セットバック 道路幅が4m未満の土地で、自分の敷地を後退させて接道義務を満たす 敷地が狭くなる・費用がかかる・セットバック部分は利用不可
隣地の一部取得 間口を広げるために隣地を買い取る・借りる・等価交換する 隣人との交渉、費用、契約書・登記が必要
特例許可(建築基準法43条2項) 周囲に広い空地があるなど、安全性が認められれば条例で再建築可になることも 許可が下りない場合もあり、申請には専門的な資料と審査機関の同意が必要

まず「セットバック」は、道路幅が4m未満の現状を解消する代表的な手法です。自身の土地を後退させることで、幅員を確保し、再建築が可能になる可能性があります。ただし、敷地面積の減少や工事費用の負担、セットバック部分が公共領域になることには留意が必要です。

次に「隣地の一部取得」ですが、隣人から土地を買い取る、借りる、あるいは交換によって間口を広げて接道要件を満たす方法です。購入であれば永続的な解決になりますし、借地契約や等価交換であれば費用を抑えられる場合もあります。ただし交渉や契約書作成、登記作業などに手間がかかります。

最後に、「建築基準法第43条第2項の特例許可」を申請する方法です。周辺に広場や空地がある、安全性が高いなどの条件が整っていれば、自治体の許可と建築審査会の同意を得ることで、接道義務を満たしていなくても再建築できる可能性があります。申請は専門家の支援が不可欠で、必ずしも認められるとは限らないため、事前の調査と準備が重要です。

どの方法も状況に応じた適切な判断と、専門家との連携が鍵になります。当社では、お客様の土地の条件に応じて最適な手法をご提案できますので、お気軽にご相談ください。

売れやすくするための対策と留意点

再建築不可の土地を売る際、建物をそのまま残しておくことには大きな意味があります。取り壊して更地にしてしまうと、住宅用地の税制優遇(固定資産税が減免される制度)が適用されなくなり、税負担が最大で6倍になる可能性があるからです。また、建物が残っていれば、リフォームやリノベーションによって買い手の活用イメージにつなげることもでき、より売却を有利に進められます。ですから、売れやすさを保つためには、建物を現状のまま大切に維持することをおすすめします。

対策効果注意点
建物を解体せず現状維持税負担軽減・買い手の範囲維持老朽化で事故が起こる前に対応を
独断でのリフォームを避ける買い手が好む形で売り出せる買主ニーズとずれる可能性あり
専門家と相談して戦略立案最適な売却ルートを模索できる信頼できる不動産会社選びが重要

また、自分の判断だけで、リフォームや更地化を行うのはおすすめできません。リフォームについても、建築確認申請が必要な工事や主要構造部の修繕となると制限がありますし、独断での工事はかえって価値を下げかねません。買い手が望む条件や用途に沿った提案を、不動産の専門家と相談しながら進めることが大切です。

最後に、再建築不可の土地は売却まで時間がかかる場合が多い点にもご留意ください。買い手の多くは投資家や隣地所有者などに限られ、住宅ローンが使えないケースも少なくないため、資金力のある買い手をじっくり探すことが重要です。じっくり売ることを意識しながら、最適な売却タイミングや価格を専門家とともに考えていきましょう。

まとめ

再建築不可の土地を売却する際は、接道義務や登記内容の確認、税制面の影響、売却方法の選択肢について十分に理解しておくことが重要です。また、再建築を可能にする方法や現状のままで売るメリットを把握し、独断での判断を避けて専門家の意見を参考にすることで、より有利な売却へと導くことができます。十分な準備が、円滑な取引と安心につながります。

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後藤正浩

部署:株式会社go-to不動産 本店

資格:宅地建物取引士 

魚介が美味しく、支援も充実しており住みやすさが魅力な明石が好きです。
魚介が食べたくなったら魚の棚に行き新鮮な魚やタコ、貝を選ぶのが楽しいです!

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